たかゆう日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

『ジョブ理論』予測可能なイノベーションの創り方を学ぶ

イノベーションを起こせ!

まぁいろんな企業で言われることです。でもそう簡単にイノベーションって起きないですよね。

発想と実行力が必要だし、時代の流れもあるし、顧客の動きを読まなければならない。不確定要素が多いわけです。

著者は、『イノベーションのジレンマ』の経営学者クレイトン・クリステンセン。

イノベーションの成否を分けるのは、「顧客データや市場分析、スプレッドシートに現れる数字ではない」と断言しています。

鍵になるのは、顧客の片付けたいジョブ(用事・仕事)。

ジョブ理論が予測可能なイノベーションを生み出す助力となります。

ざっくり3行でまとめると…

  1. イノベーションを目指すのに法則がある
  2. ジョブとは顧客が成し遂げたい進歩のこと
  3. ジョブ理論により、顧客がモノやサービスを取り入れた理由が説明できる

ジョブ理論とは?

イノベーションを起こすには顧客が利用してくれないといけないわけですが、この予測が難しい。

本書は、人がモノを買う行為そのもののメカニズムを解き明かして、「予測可能で優れたイノベーションの創り方」を提示してくれます。

ジョブ理論って聞きなれない言葉ですが、どういう意味なのでしょう? まずはジョブの定義から。

ジョブとは、ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩。

ジョブは、顧客ニーズとは違っていて、さらなる細分化を伴います。ジョブは顧客が進化を引き起こすプロセスとしています。

顧客のジョブを把握するには、今の状況を事細かく確認しなければなりません。

具体的に言うと…

顧客のジョブを完全に理解するには、機能的、社会的、感情的側面も含めて理解し、さらに顧客が引き換えにしてもいいと考えてるものを理解しなければならない。

そして顧客がジョブをしたことで、動き出す仕組みを作ることが、イノベーションというわけです。

顧客のジョブを見極めるための方法

ジョブ理論について少しは把握できたでしょうか。

イノベーションにおいて、顧客が特定のプロダクト/サービスを生活の中に引き入れるのか、その理由を説明できる理論が求められる。それがジョブ理論。

イノベーションは偶発性の産物ではなく、ちゃんと理論立てて考えられるよ、ということですね。

顧客の生活に生じたジョブを満たすために、片付けるべきジョブ理論を展開していけばいいのです。

それではジョブをどうやって見極めればいいのでしょうか?

本書では5つの方法を示しています。

  1. その人が成し遂げようとしている進歩はなにか?
  2. 苦心している状況は何か
  3. 進歩をなし遂げるのを阻む障害物は何か?
  4. 不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか
  5. その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義はなにか、また、その解決策のために引き換えにしてもいいと思うものは何か

いやぁ、けっこう大変です。この5つは、検索とかデータでは読み取れなくて、ヒアリングありきなのかなと感じました。しかも人数もある程度、必要になるのかなと。

本書では、顧客へのヒアリングがかなりページ数を割いて紹介されていますが、まぁ事細かに聞いてるんですね。

ただ、ヒアリングの限界も指摘しています。

顧客の片付けるべきジョブを理解することは、現実には相当難しい。顧客も言葉にできないし、言葉にできたとしても行動が全く別ストーリーを語ることは珍しくない。

ジョブを特定するのって、そう簡単ではないですね。

Airbnbが成功した理由をジョブ理論から見る

ジョブ理論ってなかなか掴みづらいのですが、本書では実例を挙げています。

その1つが空き室を利用しやすくなるサービスであるAirbnbです。

旅行客がAirbnbを雇用したのはなぜでしょうか?

滞在するための場所という理由だけではありません。

Airbnbを雇用すれば、かかわりたいことにかかわれる場所に行けるから。その土地ならではの体験を得ることができますよね。

ここにたどりつくために、Airbnbのメンバーはストーリーボードを描いたといいます。ホストとゲストのさまざまな感情の動きを45種類に分けて探っていきました。

突き詰めていくことが大事というわけです。

立ち戻ると、イノベーションの出発はパーソナルなものが強いとしています。

新たなイノベーションは個人の経験と内省から生まれる事が多い。

顧客がジョブする理由とは?

顧客がジョブするには、購入時・使用時のすぐれた体験が重要になります。顧客がどこのプロダクトを選ぶかの基準となるんですね。

競争優位の点からもジョブ理論の考え方は役立ちます。

ジョブのまわりに社内プロセスを結合し、求められる体験を提供する。ジョブと結合されたプロセスは模倣がむずかしく、競争優位をもたらす。

ジョブ理論によって、競うべき本当の競争相手が見えてくるというわけです。

おすすめ度7☆☆☆☆☆☆☆★★★

ジョブ理論は、活用しようとするとすぐにできるものではないので、どうすればいいのか迷ってしまいそう。

ジョブ理論を自分のものにできれば、イノベーションの再現性が出てくるので、新規事業を考える上でたくさんのヒントがある一冊です。